ピクセルサイズとデータサイズの違い|
画像の「大きさ」と「容量」は別物です

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ピクセルサイズとデータサイズの違い|<br>画像の「大きさ」と「容量」は別物です

「この画像、ポスターに使うにはサイズが小さいのですが、もっと大きいデータはありますか?」
レタッチ会社として業務で画像を扱っていると、このような確認を行う場面が日常的に発生します。しかし、ここで言う「サイズが小さい」が何を指しているのか、お客様に正確に伝わらないことがあります。

東京レタッチでは、2014年の設立以来、50名のプロレタッチャーがエンタメ業界の画像データを扱い続けてきました。その中で、「ポスター用」とご依頼いただいたにもかかわらず、カメラマンから届いたデータのピクセルサイズが小さすぎる、あるいはウェブ用なのに不必要に大きなTIFFデータが届く、といった行き違いを数多く見てきました。こうした問題の多くは、画像の「サイズ」に2つの異なる意味があることを関係者間で共有できていないことに起因しています。

ひとつは画像の「大きさ」を示すピクセルサイズ、もうひとつはファイルの「容量」を示すデータサイズ(ファイルサイズ)です。
ピクセルサイズとデータサイズは別の概念です。 ピクセルサイズが大きいからといって、必ずしもファイル容量が大きいとは限りません。この2つを混同したまま指示を出すと、意図した結果にならないことがあります。
本記事では、この「2つのサイズ」の違いを、業務で画像を扱う方に向けて整理します。

この記事を読んでほしいのはこんな人
  • レタッチ会社にレタッチを外注する方
  • 印刷会社に写真を入稿する方
  • 企業のウェブ担当者、SNS担当者
  • カメラマンから受け取ったデータを社内で管理する方
  • 「画像のサイズ」と言われたとき、何を指しているか迷ったことがある方

東京レタッチは、芸能人・エンターテインメント業界に特化したプロ品質の画像修正サービスです。
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ピクセルサイズとは|画像の縦横の「大きさ」を表す数値

ピクセルサイズとは、画像の縦横の寸法をピクセル数(画素数)で表したものです。「画像サイズ」「画像の大きさ」と呼ばれることもあります。
たとえば「4000×6000ピクセル」という画像は、横方向に4000個、縦方向に6000個の点(ピクセル)で構成されています。この縦横のピクセル数が、画像の「大きさ」です。
ピクセルサイズは、画像をどの程度の大きさで使用できるかを決定します。印刷なら「何センチまできれいに刷れるか」、ウェブなら「画面上でどのくらいの面積を占めるか」に直結する数値です。
ピクセルサイズが大きいほど画像の情報量は多くなりますが、ピクセルサイズが大きいことと画質が良いことは必ずしも同じではありません。撮影時のピントやブレ、レンズの性能なども画質に影響するためです。

データサイズ(ファイルサイズ)とは|ファイルの「容量」を表す数値

データサイズとは、その画像ファイルがストレージ上で占める容量のことです。「ファイルサイズ」「データ容量」とも呼ばれ、MB(メガバイト)やKB(キロバイト)といった単位で表されます。
メールに添付するとき、サーバーにアップロードするとき、ハードディスクやSDカードの空き容量を確認するとき。データサイズが問題になるのは、こうした場面です。

ピクセルサイズとデータサイズの違い|比較表

項目ピクセルサイズデータサイズ
何を表すか画像の縦横の大きさファイルの容量
単位ピクセル(px)MB、KB、GB
別の呼び方画像サイズ、画素数ファイルサイズ、データ容量
影響するもの印刷可能なサイズ、ウェブ上の表示面積保存容量、転送速度、ページ表示速度
確認方法プロパティの「幅」「高さ」プロパティの「サイズ」
4000×6000ピクセル15MB

たとえ話で理解する「大きさ」と「容量」

2つのサイズの関係を、オレンジジュースにたとえてみます。
ピクセルサイズは「容器の大きさ」です。
1リットルの紙パックと500mlのペットボトルでは、入る量が違います。画像のピクセルサイズが大きいほど、容器が大きい、つまり画像の器そのものが大きいということです。
ファイル形式や圧縮率は「果汁の濃度」です。
同じ1リットルのパックでも、100%果汁のオレンジジュースと30%果汁のオレンジジュースでは、中身の濃さが違います。100%果汁(TIFF・非圧縮)は情報がぎっしり詰まっていて容量が大きく、30%果汁(JPEG・高圧縮)は情報が間引かれていて容量が小さくなります。味に置き換えると、100%果汁は味が濃い、つまり画質が良い状態。30%果汁は味が薄い、つまり画質が落ちている状態です。
ファイルの容量は、「ピクセルサイズ × ファイル形式・圧縮率」で決まります。4000×6000ピクセルの画像をTIFF(非圧縮)で保存すれば約70MBになりますが、同じピクセルサイズでもJPEG(高圧縮)なら数MB程度に収まります。逆に、1000×1500ピクセルの小さな画像でもTIFFで保存すれば、それより大きなピクセルサイズのJPEGより容量が大きくなることもあり得ます。
つまり、ピクセルサイズが大きいからといって、必ずしもファイル容量が大きいとは限らないのです。

同じピクセルサイズでもファイル容量が変わる3つの理由

ファイルの容量を左右するのは、主に以下の3つの要素です。

1.ファイル形式の違い(TIFF・JPEG・PNGなど)

同じ4000×6000ピクセルの画像であっても、TIFF(非圧縮)で保存すれば約70MBになり、JPEG(高画質設定)で保存すれば約10〜15MB程度になります。ピクセルサイズは同じでも、容量には数倍の差が出ます。

2.JPEG圧縮率の違い

JPEG形式の場合、保存時の画質設定(圧縮率)によって容量が変わります。Photoshopの保存設定で画質を「12(最高)」にした場合と「8(やや高い)」にした場合とでは、同じピクセルサイズでもファイル容量に差が出ます。圧縮率を高くするほど容量は小さくなりますが、画質は低下します。

3.画像の内容(情報量)の違い

意外に知られていない点ですが、写っている内容によっても容量は変わります。たとえば白い背景だけの画像と、細かい模様や複雑な被写体が写っている画像では、後者の方が容量は大きくなります。圧縮アルゴリズムが、単純な画像ほど効率よく圧縮できるためです。

ピクセルサイズとデータサイズにまつわる3つの誤解

誤解1:「容量が大きい=ピクセルサイズも大きい」

正しくありません。TIFFで保存された1000×1500ピクセルの画像が5MBあるのに対し、JPEGで保存された4000×6000ピクセルの画像が8MBということは普通に起こり得ます。ファイル容量だけを見てピクセルサイズを判断することはできません。

誤解2:「JPEGで保存し直せばピクセルサイズも小さくなる」

TIFFをJPEGに変換すると、ファイル容量は劇的に小さくなります。しかし、変換時にピクセルサイズ(リサイズ)の指定をしなければ、ピクセルサイズはそのまま維持されます。「JPEGにしたから小さくなった」と感じても、変わったのはファイル容量であって、画像の縦横の大きさではありません。

誤解3:「ピクセルサイズを小さくしても、容量はあまり変わらない」

これも誤りです。ピクセルサイズを半分にすれば、ファイル容量は概ね4分の1程度まで小さくなります(縦・横ともに半分なので、総ピクセル数は4分の1になります)。ウェブサイトの表示速度改善で「画像を軽くしたい」場合には、ピクセルサイズの縮小が最も効果的です。

実務で気をつけたいポイント

・撮影を依頼する側がカメラマンに伝えるべきこと

撮影を依頼する側(制作会社、マネージャー、広報担当者など)がカメラマンに「大きいデータで納品してください」と伝えた場合、ピクセルサイズを大きくしてほしいのか、TIFFなどの非圧縮形式で渡してほしいのかが伝わりません。JPEGでの納品を依頼する場合は、「カメラで撮影できる最大のピクセルサイズで、圧縮をかけずに保存してください」と明確に伝えましょう。
実務上、大きく印刷する前提のデータなのに、JPEGの圧縮率を上げてしまったり、ピクセルサイズを縮小した状態で納品されるケースが少なくありません。小さく軽いデータを受け取ってしまうと、レタッチでも印刷でも取り返しがつきません。元データのピクセルサイズや画質は、後から上げることができないためです。「最大サイズ・無圧縮」を納品の基本ルールとして共有しておくことをお勧めします。
東京レタッチでは、用途に対してデータのピクセルサイズや容量が不十分な場合、作業前にお客様へ確認を行っています。しかし、急ぎの依頼でカメラマンから小さいデータを渡されてしまい、確認や再納品の時間が取れずに困っている担当者の方も少なくありません。撮影の段階で納品データの仕様を明確にしておくことが、後工程の手戻りを防ぐ最善策です。

・ウェブ用なのに大きすぎるデータ

用途に対してデータが小さすぎる問題がある一方で、ウェブ用なのに不必要に大きく容量の多いデータを納品するカメラマンもいます。
たとえば、ウェブサイト掲載用の写真なのにTIFF形式で納品されるケースです。TIFFはウェブ表示に標準的なフォーマットではないため、ウェブに掲載する前にJPEGなどへの変換とリサイズが必要になります。それだけではなく、TIFFのデータでレタッチを行うとJPEGより作業時間がかかるため、レタッチ料金も高くなります。ウェブ用途であれば、最初からJPEGで受け取る方がコスト面でも効率面でも合理的です。
用途に応じて「印刷用なら最大サイズのTIFFまたは無圧縮JPEG」「ウェブ用なら適切なピクセルサイズのJPEG」と使い分けることが、無駄なコストと手間を省くポイントです。

・ウェブサイトに掲載するとき

ウェブサイトの表示速度に影響するのは、ピクセルサイズとファイル容量の両方です。必要以上に大きなピクセルサイズや、不要に容量の大きいファイル形式は、ページの読み込みを遅くする原因になります。ウェブ用途では、表示に必要なピクセルサイズに縮小した上で、適切な圧縮率のJPEGで保存するのが基本です。

まとめ

画像のサイズには「ピクセルサイズ(大きさ)」と「データサイズ(容量)」の2種類があります。
ピクセルサイズは画像の縦横の寸法であり、印刷やウェブでの使用可能範囲を決める指標です。データサイズはファイルの容量であり、保存・転送・アップロード時に関わる指標です。
この2つは連動することもありますが、別々の概念です。業務で「画像のサイズ」について指示を出す際は、どちらのサイズを指しているのかを明確にすることが、スムーズな進行の第一歩です。
画像データの扱いに迷った際は、お気軽にご相談ください。

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この記事を書いた人

玉上義彦

玉上義彦

株式会社bloom

フォトショップ歴20年。ベトナム在住歴8年。
早稲田大学卒業後、カメラマンアシスタント、雑誌編集者を経て、現職。
新規開拓営業、既存顧客対応、レタッチャーの養成およびマネジメント、SNS運用、ウェブコンテンツ制作などを担当。

よくあるご質問

ピクセルサイズとデータサイズ(ファイルサイズ)の違いは何ですか?
ピクセルサイズは画像の縦横の大きさ(例:4000×6000ピクセル)を指し、データサイズ(ファイルサイズ)はそのファイルがストレージ上で占める容量(例:15MB)を指します。ピクセルサイズが同じでも、ファイル形式や圧縮率によってデータサイズは数倍変わります。この2つは別の概念であり、混同しないことが大切です。
ピクセルサイズとデータサイズ、簡単に見分ける方法はありますか?
Windowsの場合、ファイルを右クリックして「プロパティ」→「詳細」タブを開くと、「幅」「高さ」にピクセルサイズが表示されます。ファイル容量は「サイズ」欄に表示されます。Macの場合は、ファイルを選択して「情報を見る」で確認できます。Photoshopでは「イメージ」→「画像解像度」でピクセルサイズを確認できます。
カメラマンにデータを納品してもらう際、ピクセルサイズとファイル形式はどう指定すれば良いですか?
用途によって変わります。印刷用(ポスター、写真集、雑誌表紙など)であれば、カメラで撮影できる最大のピクセルサイズで、TIFF形式または無圧縮のJPEGで納品してもらいましょう。ウェブ用であれば、JPEG形式で十分です。「大きいデータで」とだけ伝えると、ピクセルサイズなのかファイル形式なのかが伝わらないため、具体的に指定することが大切です。
同じ写真なのに、TIFFとJPEGでデータサイズが全然違うのはなぜですか?
TIFFは画像の情報をほぼそのまま保存する形式であるため、ファイル容量が大きくなります。一方JPEGは、人間の目では判別しにくい情報を間引くことで容量を小さくする圧縮形式です。ピクセルサイズが同じであっても、この圧縮の仕組みの違いにより、容量には数倍の差が生じます。
「データサイズ」「ファイルサイズ」「データ容量」は、それぞれ違うものですか?
実務上はほぼ同じ意味で使われています。いずれも画像ファイルがストレージ上で占める容量(MB、KBなど)を指す言葉です。厳密には「データ容量」がSDカード全体の空き容量など、より広い範囲を指すこともありますが、画像ファイルの話をしている文脈ではこれらを区別する必要はありません。それよりも重要なのは、これらとピクセルサイズ(画像の縦横の大きさ)を混同しないことです。
ピクセルサイズが大きければ高画質ですか?
必ずしもそうとは限りません。ピクセルサイズが大きいほど画像の情報量は多くなりますが、撮影時のピントやブレ、レンズの性能、JPEGの圧縮率なども画質に影響します。ピクセルサイズはあくまで画像の「大きさ」であり、「画質の良さ」を直接表す数値ではありません。