周波数分離(しゅうはすうぶんり)
周波数分離とは
フォトレタッチにおける周波数分離とは、画像を「質感(高周波成分)」と「色調(低周波成分)」の2つの要素に分けて、それぞれ独立して編集を行う高度なレタッチテクニックです。これにより、人物写真いおいて肌の質感やディテールを損なうことなく、色ムラや明るさを補正したり、逆に色味を保ったまま質感を調整したりすることが可能になります。
具体的には、元の画像を複製し、片方をぼかして色調情報(低周波)を抽出し、もう片方からはそのぼかした情報を差し引くことで質感情報(高周波)を抽出します。そして、これら2つのレイヤーを特定の描画モード(例:リニアライト)で重ねることで、元の画像と同じ見た目を保ちつつ、それぞれの要素を個別に編集できるようになります。
メリットとデメリット
周波数分離を使うメリットとしては、手動により細かい調整がきくので、AIによる自動補正機能(例えばPhotoshopのニューラルフィルターなど)で意図した結果が得られなかったような場合でも満足のいく仕上がりに近づけることができます。
Photoshopの基本的な機能だけでできるので、有料のプラグインなどを使わずに済むのもメリットです。
一方で、作業時間がかなり長くなるので短時間でレタッチを済ませたい場合には向かず、レイヤーも多くなるため低スペックのパソコンでは扱いづらく初心者には手順も難しいです。