レタッチとは?
「写真編集」「写真加工」との違いを解説

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レタッチとは?<br>「写真編集」「写真加工」との違いを解説

レタッチとは、撮影した写真の完成度を高めるために行う、精密な修正作業のことです。主に、写真に写り込んだ不要なものを取り除いたり、人物の肌をきれいに整えたりする作業を指します。「写真修正」もほぼ同じ意味で使われます。

「写真編集」や「写真加工」といった言葉としばしば混同されますが、専門的には目的の異なる作業として区別されます。とはいえ、実際の制作現場ではこれらの言葉が曖昧に使われることも少なくありません。

この記事では、まず各用語の本来の意味と違いを分かりやすく解説し、社内や外注先との円滑なコミュニケーションに繋がる知識としてご紹介します。

この記事を読んでほしいのはこんな人
  • 「レタッチ」と「写真編集」の違いがよく分からない方
  • 写真の写真加工を依頼したいけれど、どう伝えればいいか迷っている方
  • 写真やデザインの仕事に携わり始めたばかりの方
  • 修正を外注する際に、作業内容を正しく伝えるための知識がほしい方
  • 「加工」と「レタッチ」という言葉を、感覚ではなく正しく理解したい方
  • クリエイティブ業界への就職・転職を目指しており、専門用語を学びたい方
  • レタッチをこれから学びたい方

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レタッチ、写真編集、写真加工、その違いとは?
用語を正しく使い分ける

まず理解しておきたいのは、撮影後の写真に行うあらゆる作業は、広い意味で「写真加工」や「画像編集」と呼ばれるということです。これは、全ての作業をまとめた総称です。

そして、その総称の下には、目的の異なる作業が存在します。一般的なワークフローでは、主に「①写真編集」で土台を整え、「②レタッチ」で細部を仕上げ、時には「③特殊加工」で新たな表現を加える、という段階的なプロセスを辿ります。

Step 1:写真の土台を整える「写真編集」
写真編集とは、撮影された写真全体の印象や、基礎的な品質を向上させるための工程です。プロの現場では、まず「RAW現像」から始めるのが一般的です。

「RAW」とは「生」を意味し、カメラのセンサーが捉えた光の情報を一切加工せずに記録した、いわばデジタルのネガフィルムのようなものです。このRAWデータを専用ソフトで開き、明るさや色合いなどを調整して一般的な画像形式(JPEGなど)に変換する作業を「RAW現像」と呼びます。JPEG画像を直接編集するのに比べ、画質の劣化を最小限に抑えながら、より高品質な調整が可能になります。

このRAW現像を含め、ノイズ軽減、明暗補正、色調補正といった、本格的なレタッチに入る前の「土台作り」全般が「写真編集」にあたります。

Step 2:細部を仕上げる「レタッチ(写真修正)」
写真編集で整えられた土台の上で、さらに細部の完成度を高めていくのが「レタッチ」です。「写真修正」という言葉も、ほぼ同じ意味で使われます。レタッチの目的は、元の写真のリアリティを損なうことなく、不要な要素を取り除き、被写体をより理想的な状態へと仕上げることです。

その作業は、とても精密な技術が求められます。例えば、ポートレート写真であれば、ニキビや肌荒れ、シワや乱れた髪の毛を丁寧に消していく作業。商品写真であれば、撮影時に付着してしまった微細なホコリを取り除き、素材の質感を際立たせる作業などが挙げられます。

「まるで、何もしていないかのように自然な仕上がり」を目指すのが、レタッチの基本です。

Step 3:新たな表現を生み出す「特殊加工」
特殊加工とは、元の写真には存在しなかった要素を加えたり、写真のイメージを大きく変化させたりする、創造的な作業領域です。レタッチが「現実をより良く見せる」作業であるのに対し、特殊加工は「新たな表現を生み出す」作業と言えるでしょう。

例えば、複数の写真を組み合わせる合成(人物の背景を入れ替えるなど)や、人物の体型補正、意図的に写真の一部にぼかしやモザイクをかけたり、光の筋のような効果を加えたりすることも、このカテゴリーに含まれます。

言葉の定義まとめ

ここまで解説してきたように、「写真編集」「レタッチ」「特殊加工」は、それぞれが異なる目的を持つ作業であり、それらをまとめて「写真加工」と呼ぶのが厳密な言葉の定義です。

・写真編集は、写真全体の「基礎」を整える。
・レタッチは、細部の「完成度」を高める。
・特殊加工は、新たな「表現」を生み出す。

これらの違いを理解することは、写真のクオリティがどのような作業によって左右されるのかを読み解く上で役立ちます。ただし、実際の制作現場では、同僚やクライアント、外注先などが、これらの言葉を必ずしも厳密に使い分けているわけではありません。円滑なコミュニケーションのためには、言葉の定義にこだわりすぎず、相手が何を意図しているのかを汲み取る柔軟性も大切です。

なぜ写真編集やレタッチが必要なのか?

では、そもそもなぜ写真には編集やレタッチが必要なのでしょうか。その理由は、撮影したままの写真が、照明の具合、背景の状況、被写体のコンディションなど、様々な要因によって写真のクオリティは左右されてしまい、なかなか理想的な仕上がりにならないからです。

このような時には再撮影をするという手段もありますが、時間や予算の制約などの理由で再撮影が難しい場合があります。また、準備段階から撮影後にレタッチすることを前提として、時間や予算を節約したり、写真の完成度を高めたりするケースもあるでしょう。

レタッチをする主な目的には、次のようなものが挙げられます。

・被写体の魅力を最大限に引き出す
ポートレート写真では肌荒れや乱れた髪を整えたり、商品写真では傷や汚れを消したりすることで、被写体が持つ本来の魅力を引き出します。鑑賞者の視線を主題に集中させ、より良い印象を与えることができます。

・撮影時の技術的な課題を補う
最高の瞬間を逃さないために、必ずしも最適なカメラ設定で撮影できるとは限りません。撮影後に明るさや色合いを適切に調整することで、技術的な不完全さを補い、写真の質を根本から向上させます。

・より創造的な表現を実現する
編集やレタッチは、単なる修正に留まりません。写真全体の色調を調整して特定の雰囲気を演出したり、合成によって新たなビジュアルを創り出したりと、ブランドイメージや伝えたいメッセージに合わせて、より創造性の高い表現を可能にします。

レタッチを外注するメリット

クオリティの高いレタッチを安定的に行うには、専門的な技術と時間が必要です。そのため、レタッチをプロに外注することは、企業にとって多くのメリットをもたらします。

まず、専門家に依頼することで、高品質な写真を安定して手に入れることができます。また、レタッチ作業にかかる時間と労力を削減できるため、社内のリソースを本来のコア業務に集中させることが可能です。さらに、外注先とコミュニケーションを取りながら作業を進めることで、企業のブランドイメージや商品コンセプトに合った、高品質な写真を作り上げていくことができるのも大きな利点と言えるでしょう。

初めてのレタッチ外注でお困りの方へ

レタッチを外注するのが初めてで、どのようにレタッチの指示をしたらよいか分からない場合は、見積もりの前に詳しくヒアリングしてくれる業者を選びましょう。
実績が豊富なレタッチ会社なら、お客様のニーズを的確に把握し、どのようなレタッチが最適かも提案してくれるはずです。

『東京レタッチ』では芸能人のレタッチを得意としたレタッチャーが多数在籍しており、写真集、アーティストグッズ、SNS、雑誌、広告など様々な用途に対応いたします。
ぜひお気軽にお問い合わせください。

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この記事を書いた人

玉上義彦

玉上義彦

株式会社bloom

フォトショップ歴20年。ベトナム在住8年。
早稲田大学卒業後、フォトグラファーアシスタント、雑誌編集者を経て、現職。
新規開拓営業、既存顧客対応、レタッチャーの養成およびマネジメント、SNS運用、ウェブコンテンツ制作などを担当。

よくあるご質問

レタッチとは何ですか?
写真を加工・修正することです。具体的には、人物の肌を滑らかに整える、背景に写り込んだ不要物を除去する、写真全体の色合いを調整するなど、多岐にわたる作業を指します。
「レタッチ」と「写真加工」の違いは何ですか?
「写真加工」は撮影後に写真に加える修正のすべてを指す広義な言葉です。「レタッチ」は写真加工の一部であり、特に肌のシミや不要物を除去するなど、写真の現実感を保ちつつ細部を精密に修正し、被写体を理想的に見せる専門技術を指します。
一方、写真全体の明るさや色を調整する「写真編集」なども「写真加工」に含まれます。ただし、実際の制作現場ではこれらの用語が厳密に区別されず、しばしば同じような意味合いで使われることも少なくありません。
レタッチするメリットは何ですか?
レタッチのメリットは、単に写真を綺麗にするだけではありません。被写体の魅力を際立たせ、伝えたいメッセージを明確にし、時には商業的な価値をも生み出す、専門的な技術です。