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レスポンス

写真を扱う印刷業界や出版業界において「レスポンス」とは、しばしばレタッチと同じような意味で使われる言葉です。
「レス」と省略されて使われることもあります。

使用例
・レス指示(レタッチ指示)
・ホクロ、レスしてください(ホクロをレタッチで消してください)

英語で「反応」「応答」という意味しかないレスポンスという言葉が、日本においてなぜレタッチと同じ意味で使われるようになったかというと、1979年に発表されたイスラエルのサイテックス社製デジタル画像処理ワークステーション「レスポンスシステム」に由来します。

このレスポンスシステムはカラー原稿をスキャンしてデジタルデータとして保存し、モニターで色の変更やレタッチができる装置で、写真がデジタル化される前はフィルムに直接手を加えていたことを考えると画期的でした。入力(スキャン)、編集(レタッチ)、出力をひとつのシステムで扱うことからトータルスキャナーと呼ばれていました。Adobe Photoshopが1990年に登場する11年も前であり、今のように誰でもレタッチができるわけでない時代ではこのような画像処理システムを導入していた印刷会社にレタッチを依頼することが普通でした。1980年代、サイテックス社以外にもトータルスキャナーを開発した会社が複数ありましたが、「レスポンスシステム」が先駆けであったことから、トータルスキャナーで画像をレタッチすることを「レスポンスする」「レスする」と称するようになりました。Photoshopなどの画像編集ソフトに置き換わった今でも、この言葉が使われる場面があります。

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