レタッチャーのお仕事とは？
フォトレタッチはカメラマンではなく
レタッチャーに任せるべき理由

写真を使った商業プロジェクトで、目に見えない大きな役割を果たしているのが「レタッチャー」です。レタッチャーはカメラマンが撮影した写真をさらに魅力的なビジュアルに仕上げる専門家であり、画像の色調や明るさの調整、不要な要素の除去、被写体の補正など、細部にまでこだわった作業を行います。

このコラムではレタッチャーに画像加工を任せることで得られるメリットを挙げ、なぜレタッチャーがプロジェクト成功に欠かせないのかを解説します。

レタッチャーとは

レタッチャーとはPhotoshopなどの画像編集ソフトを使って、カメラマンの撮影した写真の完成度を高め、クライアントが求めるイメージに近づける作業を行う専門職です。写真を用いたプロジェクトにおいてはほぼ全ての写真がレタッチされていると言ってよく、高いレベルのビジュアルコンテンツを完成させるためにはカメラマンやデザイナーと同じく重要な役割を負っています。

具体的には主に以下のような作業が挙げられます。
・色味や明るさを調整する
・被写体の魅力を高める（人物写真で肌をきれいにする、商品写真の傷を消すなど）
・写り込んだ不要物を消す（背景の通行人、撮影機材、ゴミなど）
・被写体の形を整える
・合成をする
・被写体を切り抜く

カメラマンやデザイナーがレタッチするべきでない理由

商業的なプロジェクトにおいて専門のレタッチャーを使わず、カメラマンやデザイナーがレタッチャーを兼務することがあります。
小規模なプロジェクトにおいてはそれでも大きな問題がないケースや、兼務することで業務フローが効率化できるケースもあるでしょう。経験や実績の少ないフリーランスのカメラマンやデザイナーの場合、専門の業務以外にレタッチもできるという付加価値が営業活動においてプラスに働くこともあります。
しかし、高いレベルの成果物が求められるプロジェクトや大規模プロジェクトでは、スタッフがそれぞれの専門に集中して能力を発揮する必要があります。

カメラマンは撮影技術に特化したプロフェッショナルであり、撮影機材の扱い方、照明または自然光の使い方、フレーミング、瞬間の捉え方、モデルとのコミュニケーション能力などに優れています。しかし、フォトレタッチはまた別の専門技術を要します。レタッチャーは、撮影後の写真を最適な状態に仕上げるための技術に特化し精通しているので、カメラマンが撮影した写真をさらに魅力的に仕上げることができます。
レタッチはレタッチャーに任せることで、カメラマンにとっても撮影に専念できるというメリットがあります。

デザイナーにも同じことが言えます。デザイナーがレタッチャーを兼任するよりも、レタッチャーに任せることで、現在進行中のデザイン業務に集中できますし、未来に向けて新たなデザインスキル獲得に時間を使うことができます。

あなたがカメラマンやデザイナーであれば、プロフェッショナルとして継続的なスキル向上が求められます。キャリア形成を長期的な視野で考えた場合に、その専門スキルを磨く方がメリットが多く、安易にレタッチャーとの二刀流を目指すとどちらのスキルも中途半端になってしまいます。クライアントが仕事を依頼したいと思うのは「レタッチが上手いカメラマン」や「レタッチが上手いデザイナー」ではなく、「撮影が上手いカメラマン」や「デザインセンスが良いデザイナー」であるはずです。これがプロのカメラマンやデザイナーがレタッチを無理に兼務するべきでない理由です。

クライアントが写真加工をレタッチャーに任せるメリット

プロのレタッチャーはクライアントのニーズに応じて細部まで精密にレタッチ作業を行い、写真の完成度を高めます。また、ブランドやタレントのイメージを損なわないように、一貫性のあるビジュアルを保つことも得意です。特に商業写真においては異なる状況で撮影された写真でも、レタッチャーの手によって統一感のある仕上がりが実現できます。

撮影枚数が膨大になるプロジェクトにおいては、カメラマンがひとりでレタッチを行うのは現実的ではなく、スケジュールの遅延が生じる可能性があります。とくに売れっ子のカメラマンほど多忙なため、撮影の合間にレタッチをしていてはクライアントの求めるスケジュールには間に合わなくなることもあるでしょう。
レタッチャーが多数いる会社にレタッチを外注することで、制作スケジュールを早めることができます。

フォトレタッチは時間のかかる作業ですが、専門家に任せることでクライアントはその時間と労力を他の業務に集中させることができます。カメラマンが撮影に専念し、レタッチャーが画像加工を行うことで、プロジェクト全体の制作プロセスが効率化され、短時間で高品質な結果が得られます。

まとめ

「餅は餅屋に」ということわざがあるように、フォトレタッチを専門家に任せることで、効率化と品質向上が期待できます。撮影やデザインとレタッチはそれぞれ異なる専門技術を要するため、それぞれの分野のプロフェッショナルに分業させることが、最良の成果につながります。

レタッチャーは写真の魅力を向上させる技術に優れており、特に商業プロジェクトではその役割が不可欠です。カメラマンが撮影に専念し、デザイナーがデザインに集中することで、それぞれの分野での最高品質が実現します。レタッチャーが加工を担当することで、制作物のクオリティが向上するだけでなく、プロジェクトのスケジュールも円滑に進むため、クライアントにとってもメリットが大きいのです。

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